冬眠少女

温かくてぬくぬくしてこたつさいこう!寒いの嫌いだから冬は嫌いなんだけど。一日中大好きなコタツにいれるから、冬休み大好き!今日は何日かな。もう忘れちゃうくらい毎日こたつ。♪♪♪メール。誰だろ?恭弥だ!”何してるの?”あ。そういえば冬休み入ってから恭弥にあってないなぁ。こたつ出たくないし。恭弥、なんか委員会の仕事溜まってるとかなんとか言ってたし。なんて返事しよう・・・あ。眠くなってきた・・・。



」うーん。パパ?眠いんだからあとにしてよー「」もー。しつこいなぁ。知らない知らない。「ってば!」・・・・・・。グニッ。「痛いっ」「呼んでるのに起きないから」「あれ?恭弥だ。なんで?」「返事来ないから来てやったんだよ」あ。そういえば返事打ってるうちに寝ちゃったような・・・「行くよ」「え?やだ」「普通、何処に?とかじゃないの?」「だって寒いもん」そう。寒いから出たくない。こたつがいいの!「そうだ!恭弥もこたつ入りなよ」「駄目。君のお母さんに頼まれたし」何を???「娘がこたつに引きこもってるから外に連れ出してって」!!!余計なことを!ママは恭弥がお気に入り。彼氏じゃないのに(ただのクラスメイト!仲いいけど。恭弥と仲いいのは私くらい。)彼氏と思い込んでていつも勝手に恭弥にあれこれ御願いするんだから。もー!「一日中こたつにいるなんて信じらんない。不健康だよ」「平気だもん。こたつにいれば安全だし」「僕といれば外も安全だよ」「そーだけど・・・」「バイクでどこか行こうよ」「やだ!余計寒いよ!」「・・・・」ズルルル「キャーーー」ひどい!寒い!恭弥のばか!私出るなんていってないのに!ズボッて恭弥の手がこたつの中に入ってきたと思ったら、私の脇のトコ掴んで無理やり外に引きずりだすし。「寒い!死んじゃう!」「死ぬわけないでしょ」ズルズルズル。そのまま廊下へ。さーむーいーーーー!「はい、コート。ごめんなさいね。めんどくさい娘で」ママー!バカバカ!




結局そのままバイクに乗せられて。もー。寒くて寒くてたまらないから思い切り恭弥にしがみついてる。ちょっとはあったかい・・・・かな?「苦しいんだけど」知るか!「寒いんだもん」ガタガタ。大げさに震えてみたり。ていうか、何処までいくの?なんかどんどん遠くへ来てるような。周りみても知らない景色だし。




着いたのは大きな公園みたいなとこ。うわぁー・・・寒いわけだよ。公園にある噴水の水とか氷かけてるし。スタスタスタ・・・あ。恭弥いっちゃう;「ねぇどこいくの?置いてかないでよー!」「こっち」待ってってば!ボス!恭弥のポケットに手をイン。だって恭弥の手、握ろうと思ったらポケットの中なんだもん。わっ。驚いた顔してる。「変態」「なんで?!」わけわかんない!




何分も歩いて、着いたのは一見なんにもない広場。広い公園だなぁ。あ。この木って。「クリスマスの木!」「もみの木だよ」大きな木。二人で見上げる。「クリスマス、何もしなかったでしょ」そーいえば。コタツで寝てたかも・・・。うわ。なんか嬉しいな。「へへへ」「何?キモイ」キモイって!ひどい・・・。でも「恭弥大好きっ」「うん。僕も好き。君の好きとは違うけど」「え?どういうこと?」「こういうこと」




雪じゃなくて、恭弥のキスが降ってきた。




冬眠少女
20061208